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2021年7月

2021年7月21日 (水)

映画ファン向けの解説「竜とそばかすの姫」

<はじめに>

ネタばれは極力なしにしてますが、純粋に楽しみたい方は読まないほうが良いです。

 

<対象者>

「竜とそばかすの姫」(竜そば)を観て、「何この脚本?」と悪い意味で度肝を抜かれた方。

何故一般の視聴者には歌だけでなく、ストーリーもベタ褒めされてるのかわからないという方。

 

<概要>

この映画は、新ジャンルであり、既存映画に対するアンチテーゼです。

※アンチテーゼ=ある主張に対してそれを否定する内容の主張

 

<解説>

まず、伏線が張られてないことや、伏線を回収していないこと。

これは、「伏線は絶対必要」「伏線が全て回収されている映画は素晴らしい」という映画の原則に対するアンチテーゼです。

(私も含めて映画ファンは、伏線を重視していますが、リアルな日常において伏線が張られているとは限らないですよね)

そういう新ジャンルなので、これで正しいのです。

 

例えば、ホラー映画というジャンルを知らない人がホラー映画を観て、「なんで突然幽霊が出てくるの?」とか「なんで車のキーがかからないの?」という文句を言っていたら、「いや、そういうジャンルだから」というしかないですよね。それと同じです。

 

この「竜そば」の場合も「なんで突然〇〇が・・・」という文句は、「いや、そういうジャンルだから」というしかありません。

そして、一般の視聴者は、伏線なんて気にしていません。なのでこれほど絶賛されています。

 

某作品をパクってるという意見もありますが、これも、既存のリスペクトの範囲を大きく拡張した意欲作という見方ができます。

そういうジャンルなのです。

例えば銀魂でこのくらいのことをしても「銀魂だからOK」と思われるのは、銀魂が「そういうジャンル」だからですよね。

 

あと大人の言動がおかしいことについては、これも「そういうジャンル」だから。

主人公の「心理描写こそが最優先」で、他の要素はむしろ間引くべき、という考え方です。

例えば、ラピュタのパズーが人間離れした動きをしても、「そんな動き、普通の子供には無理だろ!」と怒る人はそんなにいないですし、

シータが大人びたセリフを言っても「子供がそんなこと言うわけないだろ!」と言う人はいませんよね。だって「その方が面白い」から。

竜そばも同じです。その先に見せたい演出&面白い演出があればOKなのです。

 

以上が私なりの「竜そば」の解釈です。如何でしょう?
私の解釈が正しければ、細田監督は天才です。

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